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OPENING SCENERY - "Mystic Alchemy" (2011)

  • 2013/05/23
  • カテゴリー: HM/HR
OPENING SCENERY - イタリア出身5人組の1st。高らかに響き渡るKeyをフィーチャーした、メロディアスなHMを演っている。中には様式美系の曲もある。Voが若干パワー不足気味かな。Keyはオルガン系のオーソドックスな音色を多用したり、プログレ風にテクニカルなフレージングを畳み掛けたりと活躍。イタリアB級HMの宝庫、Underground Symphonyからのリリースだけに何となく安っぽさも漂っている。凝った曲展開とヒネリを効かせた曲調の中で、テクニカルなインストパートとサビのコーラス以外の部分がイマイチ印象に残らない。今後は歌メロの充実がカギとなるだろう。アルバム全体から醸し出される雰囲気が、好調時のDGMやSecret Sphereなどの勢いに遠く及ばないので、これは思い切ってインストパートとVoパートの比重を逆転させるぐらいのことをしないと…と、思っていたら組曲の7曲目"Mystic Alchemy Suite - Scene I: The Final Destination"で突然、とてつもなくキャッチーな北欧メタル風、というか80年代風の歌モノ展開に。何とも唐突なキャッチーさだが、この曲はイイぞ。何だ、やれば出来るじゃないか。7曲目ほどキャッチーではないにせよ、この北欧メタル傾向は同じ組曲の9曲目"Mystic Alchemy Suite - Scene III: At Twilight"でも再現される。結局、7曲目だけは何度も聴いてしまった。

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KING MISFIT - "Under Ancient Ground" (2011)

  • 2013/05/21
  • カテゴリー: HM/HR
KING MISFIT - カナダ出身6人組の1st。シンフォメタル系だが展開重視型の重厚なタイプで、ミドルテンポでじっくりと聴かせる曲が中心。プロダクションも良好で、キチンと構築された良質な楽曲が並ぶ。歌メロが若干弱いような気もするが、サビのコーラス等の要所ではキャッチーに展開しておりあまり気にならない。どのパートが突出するというようなこともなく、平均的に全体が上手くまとまっているような印象を受ける。7~8分台の長尺曲も多く、シンフォ要素を生かして、ドラマチックな展開を織り込んでいるので聴き応えがある。勢い任せではない分、速効性は弱いが、時間を掛けてじわじわ来るような、深い味わいの曲が多い。特に5曲目"Anguish"はバラード系の曲だが、ゆったりと盛り上がってゆくドラマチックな展開が、彼らの音楽性を象徴しているかのようで非常に聴き応えがある。同様に6曲目"Dislocated"もドラマチックでじわじわ来るような曲調だが、一方でProgMetal風のテクニカルなインストパートもあり、演奏力の高さが窺えて興味深い。個人的にはタイトルトラックの2曲目"Under Ancient Ground"の、しみじみとしたBソロ(Gソロではなく4分10秒過ぎからのBソロの方)に琴線を刺激された。

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IVAN MIHALJEVIC & SIDE EFFECTS - "Counterclockwise" (2012)

  • 2013/05/18
  • カテゴリー: HM/HR
IVAN MIHALJEVIC & SIDE EFFECTS - 東欧クロアチア出身、G兼VoのIvan Mihaljevic率いる3ピースバンドの3rd。70年代な感じのキャッチーなHR。大らかなGリフに手数の多いドタバタDs。飾り気のない素朴なVo。プロダクションは非常に良く、シンプルで温もりのある、オーガニックな音像。分厚い歌メロが哀愁基調でなかなかのキャッチーさ。Gもよく泣いている。東欧圏なのに過度にジメジメせず、ラテン系なガツガツさも無い、やや大陸的な、サバサバとした乾いた質感が面白い。虚飾を排して最小限の骨太な音々で構成されたアンサンブルが、ロック音楽の持つ昔ながらのダイナミズムを運んでくる。クセのないVoハーモニーが哀愁の歌メロや素朴なアンサンブルとマッチしていて非常にイイ感じだ。聴けば聴くほど良くなってくる感じがする。構築性は高くないのに、個々の持つ確固たるテクニックでキレのあるアンサンブルを提示していることが聴いているうちに明らかになってゆく。Bのテクニカルなソロパートもあるし、Dsの表情豊かなドラミングは聴いていて楽しい。Voも、G奏者が唄ってると考えれば上出来だと思う。東欧辺りでは、まだこのようなスタイルのバンドが生息しているんだな。メロディー志向の3ピースバンドなんて、今どき素敵じゃないか。どの曲も親しみ易い歌メロで取っ付きやすさ満点だが、その中でもドラマチックなパワーバラード系歌モノの6曲目"Gift of Life"が特に気に入った。

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ABSOLUTE PRIORITY - "Hunter" (2012)

ABSOLUTE PRIORITY - 元IcycoreのVoらが結成したDT型ProgMetalの1st。まだまだイタリアのProgMetalも捨てたもんじゃない、と思わせるほどの堂々とした出来。湿り気を帯びてしっとりとした歌メロの歌モノ系楽曲が中心で、上手いVoが情感たっぷりに唄い上げてゆく。ツインGのハーモニーや無機質なKey音が雰囲気を盛り上げる。曲展開のメリハリも効いていて、プロダクションも万全。本当によく出来ている。雨後のタケノコの如く次から次へと新しいProgMetalバンドが登場した、あの大ブームから10年以上経過し、このような高品質の作品がちょくちょくと生み出されることは、イタリアのProgMetalシーンが相当に成熟化した表れだと思う。MVが作られた3曲目"Things I've Never Done"が彼らのイチ推しなのだろうが、なるほどキャッチーでイイ曲だ。このアルバムを象徴する名曲とも言えるかもしれない。この3曲目は何度聴いても飽きない。その他の曲もキャッチーな歌メロとテクニカルなインストパートを軸に、構築性の高い楽曲で勝負している。何と言っても、仄かな哀愁を絶えず漂わせているのが良い。その雰囲気に捲かれて、大したメロディーでもないのに良さ気に聴こえてしまったりもする。とにかく、90年代終わりから2000年代初めにかけて、続々とリリースされたイタリアのProgMetal作品を胸躍らせて聴いていた、あの頃のワクワク感が蘇るようで楽しい。何度も繰り返し聴いていると、聴き手の「ProgMetal脳」が活性化するような模範的な音楽性で、特にProgMetal初心者に聴いてもらいたい作品だと思う。

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STANDING OVATION - "The Antikythera Mechanism" (2012)

STANDING OVATION - フィンランド産ProgMetalの1st。DT型(初期DreamTheaterタイプ)ではなく、今どきの要素やプログレ要素を取り入れたProgMetalだが、やはり冒頭からつまらない。メロディアスだが訴求力に欠けるメロディー。時々激しくリフベースで疾走するものの、つまらないプログレ系のメロディーのため全く来ない。ところが、ラスト3曲20分を費やしたタイトルトラックの組曲はさすがに力作で恐れ入った。パッとしないメロディーも依然として存在するものの、それなりにメロディーも訴求力を増しており、ピアノを中心としたKeyや素朴なVoコーラスがプログレハード的なキャッチーさを醸し出すまでに至っている。DT型とは全く方向性の異なったプログレ由来のProgMetalではあるが、一筋縄ではいかない中にもガッシリとした構築感とダイナミックな展開が内包されており、その牽引力に引きずられるように最後まで聴いてしまった。アルバム前半はつまらなかったので途中で聴くのをリタイアしようと思ったが、途中で止めてたらこの最後の組曲まで辿りつかなかった。その前の8曲目のバラード系の曲"Break the News"も、他の曲にはないキャッチーな哀愁基調で印象に残った。ストリングスとピアノと美しいメロディーと素朴なVoの絡みが非常にイイ感じで、曲後半へ向け一気に盛り上がって哀愁度が増してゆく展開も見事。
結論、「8曲目以降を聴け」。

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プロフィール

Author:maruy

■ Progressive Metalを中心に、HR/HM周辺からProgressive Rockまでを扱います。基本的に聴いて良かった作品しか取り上げませんが、中には残念な結果を記してしまったのもあります。デス声が苦手なため、Death Metal方面の音楽は取り扱いませんので悪しからず。皆様の音楽探究の一助となれば幸いです。

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